男性更年期障害って・・②

こんにちは♪ 鍼灸師 園梨(ゆかり)です。

男性更年期障害の続きです。
男性ホルモンであるテストステロンの急激な減少によって男性更年期を発症し、男性更年期の症状がうつ病を主とし、また男性更年期になっているかどうかの指標が“朝立ち”であるというお話しを前回しました。

今日は別の視点で男性更年期についてお話します。
男性更年期がうつ病に似た症状を現すということとは別にもうひとつやっかいな男性更年期ならではの減少があります。

1998年にWHO(世界保健機関)が『メタボリック症候群』という名称でその診断基準を発表した事により、「メタボ」としても一般に知られるようになったこの『メタボリック症候群』
皆さんもご存知ですよね。

その診断基準は・・
ウエスト周囲径 男性 85cm以上
女性 90cm以上
(内臓脂肪の蓄積の指標として)
の人で以下のうち2項目以上に当てはまる人

血清脂質異常
中性脂肪150mg/dL以上
HDLコレステロール値40mg/dL未満
のいずれか、又は両方

高血圧
最高(収縮期)血圧130mmHg以上
最低(拡張期)血圧85mmHg以上
のいずれか、又は両方

高血糖
空腹時血糖値110mg/dL以上

40歳から74歳までの男性の2人に1人が、女性の5人に1人がメタボ、または予備軍だと
言います。
実際には女性より男性の方がメタボになるリスクが4倍もあると言われています。

実は『メタボリック症候群』は男性の更年期に深くかかわっているんです(-_-;)

メタボになる病態生理学的原因は、3つあります。
1.食べ過ぎ 2.運動不足 3.???
1と2は、誰にでも共通するメタボの原因ですね。
しかし、3の原因だけは、中高年の男性にのみあてはまるんです。なんだかわかりますか?

それが男性更年期なんです。

前回、男性更年期障害は、男性ホルモンのテストステロンの減少により発症するとお話ししましたが、テストステロンが減少すると内臓脂肪が蓄積されるという反比例の関係があることがわかったのです。
つまり、テストステロンが急激に減少した更年期をむかえた男性に内臓脂肪が蓄積されるという傾向があるということです。

ただの食べ過ぎで運動不足だけなら脂肪は皮下に蓄積される皮下脂肪型の肥満になります。
そして1.2だけが原因なら若年者も女性も同じ割合でメタボであってもおかしくないのに、中高年の男性にメタボが多いのはここに大きな原因があるんです。

同じ脂肪でも、皮下脂肪と内臓脂肪では決定的な違いがあるんです。

それは、内臓脂肪がアディポサイトカインを産生させるということです。
アディポサイトカインって??

アディポサイトカインとは、脂肪細胞から分泌される生理活性物質のことで、コレステロールのように”善玉”と”悪玉”の両方が存在します。

悪玉アディポサイトカインには、インスリンの働きを阻害して糖尿病を引き起こす腫瘍壊死因子(TNF ―α)をはじめ、高血圧と関連するアンジオテンシノーゲン、血栓の形成に関係し心筋梗塞や脳卒中の原因となるプラスミノーゲン活性化因子(PAI―1)などで、脂肪細胞から大量に分泌されて動脈硬化などの発症に強く関連しています。
TNF ―αやアンジオテンシノーゲン、PAI―1は悪玉アディポサイトカインの代表で、これらは内臓脂肪の増加によってさらにその合成・分泌量が増えるという性質を有しています。そのため内臓脂肪が蓄積するに従い高血圧や糖尿病、高脂血症が進展し、脳卒中や心疾患を発症させやすくなってしまうのです。

このように、男性更年期障害による男性ホルモンの低下が内臓脂肪の蓄積を増進するので、同じ中高年でも女性より男性の方がメタボのリスクが4倍も高くなってしまうのです。

女性は女性特有の病気や症状があるけど男性は男性でこれまたやっかいな症状を背負ってしまっているんですね。

いずれにしても、内臓脂肪も皮下脂肪も余分に蓄積されないよう健康管理が大事です。

次回は、こうした『メタボ』の解決策、健康の基本中の基本。どうしたら毎日を元気に過ごせるのかお話しします。

ではまたね(;_;)/~~~

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